終業式の話
おはようございます。みなさんは、「松尾芭蕉」という人を知っていますか。今日は、この松尾芭蕉という人のお話をしたいと思います。
今から400年も前、1644年に伊賀の国(現在の三重県)に生まれた芭蕉は、37歳で江戸の深川に転居してきます。俳句を作った人で51歳でなくなるまで非常にたくさんの作品を残しています。
3年生の国語の教科書にも、紹介されています。
「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」
(中秋の名月の光が池の水に映ってあまりに美しいので、一晩中池の周りをまわってながめていました。)という意味でしょうか。
ここで、俳句について少し説明します。
俳句とは、5・7・5の17音で作られていて、季節を表す言葉(季語)が含まれています。日本人は昔からこの俳句に親しんできました。松尾芭蕉はこの俳句を作っている人の中で最も有名な人物なのです。芭蕉の代表作として、最も有名なのが「おくのほそ道」です。
これは、芭蕉が46歳のとき、弟子と2人で、江戸の深川を出発して、東北、北陸をまわり、滋賀の大垣まで約2400キロメートルを150日かけて旅をします。この旅で50もの句をつくり、「おくの細道」としてまとめました。いくつか有名なものを紹介します。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
(今や夏草が生い茂るばかりだが、ここはかつて武士たちが栄誉を求めて戦った跡地である。昔のことはひと時の夢となってしまったなあ。)
「五月雨の 降り残してや 光堂」
(何もかもくさらせてしまう五月雨も、この光堂だけは降らなかったのだろうか、金色に光輝いているよ。)
「閑けさや 岩にしみいる 蝉の声」
(なんて静かなんだろう 石にしみいるように蝉がないている)
芭蕉は、このおくの細道の冒頭に「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」と人間の一生を旅になぞらえています。
これから夏休みです。例年よりは短いですが、大切に過ごしてください。旅行やレジャーにはあまり出かけられないかもしれませんが、家の近くでいろいろな体験ができるとよいですね。
「日焼けして どっちがかげか わからない」
8月18日には、また元気に登校してきてください。まっています。
以上で校長先生のお話をおわりにします。
校内放送による 校長 強瀬 哲朗